冠動脈インターベンション用のワイヤーについて
コイルワイヤーとコーティングワイヤーがある、ファーストアタック用、ちょっと硬いもの、貫通用がある、というのはもともと知られていることなのです。しかし、CVITのときに、「若いDrたちにワイヤーについて、メーカーで区切らず噛み砕いた記事を書いてほしい」とディーラーさんやメーカーさんに要望をいただきましたので、あくまで私見として書かせていただきます。
まず、ワイヤーの老舗ブランドはガイダント(現在のアボット)です。有名なのが、BALANCE、BMW、Intermidiate、硬いものではCross-itというものがあります。そした、コーティングにはWhispter、Pilotがあります。私はまず、それぞれのワイヤーをこのメーカーのものと比較するようにしています。原点はバランスです。
ほか、クラシックなトラバス、特殊ワイヤーとしてのWiggleがあります。
続いて世界に誇るニッポンのワイヤー、朝日インテック(Neo’s)です。
現在の私にとって、第1選択となるSION BLUE、SION、SUOH、Miracle(Brothers、3、6、12)、Conquest(通常の8g)、Pro、Pro12、Pro8-20となります。コーティングはFielderFCです。CTO用にXT-RとXtremeがあります。ここで大切なことは、Route、RinateというガイダントのBALANCEのような存在のワイヤーがあります。
ほかにテルモのRunthroughシリーズ、ライフラインのAthlete(eel、Joker)シリーズ、ゼオンのProneurなどがあります。
ライブに行くといとも簡単に「匠」がワイヤーを難しい病変にもスルスルとおしていきますが、だれもがそうはいきません。若手の先生方から「**のときに++先生がXXを使ったらうまくいったので使ってみたけどうまくいかなかった」という声をよく聞きますが、そもそも車に例えると、教習所あがりの若葉マークが、サーキットで走れないこと同じです。若葉ドライバーは軽四、レーシングドライバーはレーシングカーやGT-R、バスやトラックの運転手さんはそれぞれの車がちょうどよいものです。パラドックス的に初心者にこそよいデバイスを!というものもありますが、それはあらかじめスタンダードを知ってから、という前提が必要だと思います。
私はPCIを行う上で最も大切なことの一つがワイヤーセレクトおよびテクニックだと思っています。
まず、自分の中のスタンダードを決めること。
1:SIONシリーズやRuthroughシリーズは術者が下手でもワイヤーがカバーする。
2:初心者はBALNCEかそれに準じるワイヤー(Route、Renateなど)から使い始めること。これらは、自分でシェイピング、ターニングポイントもきちんと行い、プラークをよけながら通すことを必要とする。
3:冠動脈造影(あるいはCT)のみならず、患者の背景・既往・合併症からもワイヤーセレクトを考える。うまくいかなかったときのフローを作っておく。
4:ワイヤーが入りはじめてからは「1秒でも早く」手技を完結させるというポリシーをもつ。
これらは私がお師匠さんから教えていただいたことです。
このあと、コアや構造についてもちょっと書いていきたいと思います。ご意見お待ちしております。
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